親が亡くなり実家を相続することになったものの、
「自分は住む予定がない」
「売った方がいいのだろうか」
「思い出のある家なので、すぐに手放すのは抵抗がある」
「兄弟ともまだ何も話していない」
このように、実家をどうすればいいのか迷ってしまう方は少なくありません。
相続した実家については、必ずしもすぐに売却する必要があるわけではありません。
自分や家族が住む、貸す、売却する、しばらく所有するなど、いくつかの選択肢があります。
大切なのは、最初から「売る・売らない」を決めるのではなく、相続の状況やご家族の意向、建物の状態、今後かかる費用などを整理したうえで、自分たちに合った方法を考えることです。
この記事では、相続した実家をどうするか迷っている方に向けて、主な選択肢と考えておきたいポイントをわかりやすくご紹介します。
相続した実家は、
すぐに売ると決めなくても大丈夫です
実家を相続すると、
「住まないなら売らないといけないのでは?」
と考える方もいるかもしれません。
しかし、実際にはさまざまな選択肢があります。
たとえば、
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自分が住む
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子どもなど家族が利用する
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賃貸住宅として貸す
-
売却する
-
将来の利用を考えて当面所有する
といった方法があります。
どの方法が適しているかは、実家の場所や建物の状態だけでは決まりません。
ご家族の状況、相続人の人数、住宅ローンなどの負担、不動産の維持費、将来その家を使う可能性などによっても変わります。
そのため、まずは**「どんな選択肢があるのかを知ること」**から始めてみましょう。
実家をどうするか決める前に確認したいこと
具体的な活用方法を考える前に、いくつか確認しておきたいことがあります。
誰が相続するのか
まず確認したいのが、その実家を誰が相続するのかという点です。
相続人が一人であれば比較的整理しやすいこともありますが、兄弟姉妹など複数の相続人がいる場合には、誰が実家を取得するのか話し合う必要が出てくることがあります。
「遺産分割協議」とは、相続人全員で、誰がどの財産を相続するのかを話し合うことです。
実家を売るかどうかを考える前に、まず相続関係を整理しておくことが大切です。
不動産の名義を確認する
「親の家だから、当然親の名義だろう」と思っていても、登記を確認すると、亡くなった祖父母など以前の世代の名義のままになっていることがあります。
土地と建物で名義が異なっている場合もあります。
まずは登記事項証明書などで、現在の登記名義がどうなっているのか確認してみましょう。
なお、2024年4月1日から相続登記が義務化されています。
原則として、不動産を相続によって取得したことを知った日から3年以内に相続登記を申請する必要があります。
また、2024年4月1日より前に発生した相続であっても、相続登記が済んでいない不動産は義務化の対象です。一定の場合には2027年3月31日までに申請する必要があります。
登記手続きについて判断が難しい場合には、司法書士などの専門家へ相談することをおすすめします。
なお、相続した不動産については、現在の名義を確認するだけでなく、相続登記の期限にも注意が必要です。
2024年4月1日から相続登記が義務化されており、一定の場合には2027年3月31日が期限となるケースもあります。
関連記事:相続登記はいつまで?義務化と2027年3月31日の期限をわかりやすく解説
相続した実家にはどんな選択肢がある?

ここからは、相続した実家について考えられる主な選択肢を見ていきましょう。
1.自分が住む
まず考えられるのが、相続した実家に自分自身が住む方法です。
現在住んでいる家から実家へ移ることで、実家をそのまま活用できます。
一方で、
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通勤や通学に不便ではないか
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修繕やリフォームが必要ではないか
-
現在の住まいをどうするのか
なども考える必要があります。
思い出があるからという理由だけで決めるのではなく、実際にそこで生活できるのかという視点でも考えてみましょう。
2.子どもなど家族が利用する
自分自身が住まなくても、子どもや親族が利用する方法もあります。
「今は使わないけれど、数年後に子どもが住むかもしれない」
というケースもあるでしょう。
ただし、「いつか使うかもしれない」という状態のまま何年も経過してしまうこともあります。
将来利用する予定がある場合には、いつ頃、誰が、どのように使うのかまで家族で話しておくと判断しやすくなります。
3.賃貸として貸す
立地や建物の状態によっては、実家を賃貸住宅として貸すことも考えられます。
家を手放さずに活用でき、家賃収入を得られる可能性がある点はメリットです。
一方で、貸すためには修繕が必要になることがあります。
また、
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入居者募集
-
建物の修繕
-
賃貸管理
-
入退去への対応
なども考えなければなりません。
すべての家が賃貸に適しているわけではないため、周辺の賃貸需要や必要な修繕費なども含めて検討する必要があります。
4.売却する
今後、自分や家族が利用する予定がない場合には、売却も一つの選択肢です。
売却することで、その後の固定資産税や建物管理などの負担をなくすことができます。
ただし、
「いくらで売れそうなのか」
だけで判断するのではなく、
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売却するために必要な費用
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建物をそのまま売るのか
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修繕してから売るのか
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解体した方がよいのか
-
売却した場合の税金
なども確認しておくことが大切です。
また、不動産を売却した場合の税金は、取得時期や取得費、相続の状況などによって取り扱いが異なることがあります。
具体的な税務判断については、必要に応じて税理士などへ確認しましょう。
5.当面は所有しておく
「まだ家族で結論が出ていない」
「気持ちの整理がつかない」
という場合には、すぐに処分せず、しばらく所有しておくことも選択肢の一つです。
相続したばかりの時期に、無理に結論を急ぐ必要はありません。
ただし、所有している間は家の管理が必要です。
固定資産税だけでなく、庭木の手入れや修繕、火災保険などの費用がかかる場合もあります。
「とりあえずそのまま」にするのであれば、いつ頃もう一度今後について話し合うのか、ある程度の時期を決めておくとよいでしょう。
実家を空き家にする場合は
「放置しない」ことが大切
すぐに活用方法が決まらず、実家が一時的に空き家になることもあります。
空き家になること自体が問題なのではありません。
注意したいのは、誰も管理しない状態のまま長期間放置してしまうことです。
人が住まなくなった家は、換気されなくなったり、雨漏りや設備の故障などに気づきにくくなったりするため、建物の傷みが進みやすくなります。
国土交通省も、空き家を放置することで、建物の老朽化や倒壊、害虫、庭木の越境、不法侵入など、さまざまな問題につながる可能性があると案内しています。
さらに、適切に管理されていない空き家が「管理不全空家」や「特定空家」となり、市区町村からの指導後に勧告を受けた場合には、その土地について住宅用地に対する固定資産税等の軽減措置が受けられなくなる場合があります。
すぐに売ったり貸したりしない場合でも、
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定期的に家の中を確認する
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換気をする
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雨漏りや建物の破損を確認する
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庭木や雑草を手入れする
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郵便物を確認する
など、適切に管理しておくことが大切です。
遠方に住んでいて自分で管理することが難しい場合には、空き家管理サービスなどを利用する方法もあります。
相続した実家を空き家として所有する場合にかかる費用については、 「相続した実家が空き家に|どんな維持費がかかる?」 で詳しく解説しています。
売るか残すか迷ったら、
この5つを整理してみましょう
相続した実家をどうするか迷ったときは、次の5つを整理してみると考えやすくなります。
1.今後、その家に住む人はいるか
自分だけではなく、配偶者や子どもなども含めて考えてみましょう。
2.家族はどう考えているか
実家に対する思いは、家族それぞれで異なることがあります。
一人で決めず、できるだけ早い段階で家族と話しておくことが大切です。
3.年間どのくらい費用がかかるか
固定資産税、保険、修繕、庭の管理など、所有し続ける場合の費用を一度整理してみましょう。
4.建物はどのような状態か
そのまま住めるのか、修繕が必要なのか、貸すことができるのかなど、建物の状態によって選択肢も変わります。
5.売った場合・貸した場合はどうなるか
売却価格だけでなく、賃貸にした場合の家賃や必要な修繕費なども調べてみると、それぞれの選択肢を比較しやすくなります。

「まだ決められない」段階でも大丈夫です
実家は、一般的な不動産とは少し違います。
子どもの頃に暮らした家だったり、家族との思い出が残っていたりするため、金額だけでは決められないこともあります。
だからこそ、
「空き家だから売る」
「住まないから処分する」
と最初から結論を決める必要はありません。
まずは、
誰が相続するのか。
家族はどう考えているのか。
今後どのような使い方ができるのか。
所有し続ける場合にはどの程度負担があるのか。
一つずつ整理してから考えても遅くありません。
国土交通省でも、空き家の発生には相続が大きく関係しているとして、「誰が住むのか」「売るのか」「貸すのか」などを家族で話し合うことの重要性を案内しています。
まとめ|
実家のこれからを家族で整理するところから始めましょう
相続した実家には、
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自分が住む
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家族が利用する
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貸す
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売却する
-
当面所有する
など、いくつかの選択肢があります。
大切なのは、「住まないから売る」とすぐに決めることではありません。
相続関係や不動産の状態、ご家族の気持ち、維持費、今後の利用予定などを整理したうえで、自分たちに合った方法を考えることが大切です。
相続した不動産については、ご家族の状況や不動産の状態によって適した選択肢が変わります。
「売った方がいいのか、残した方がいいのかわからない」
「実家が空き家になっているけれど、何から考えればいいかわからない」
という段階でも問題ありません。
和継プランニングでは、相続・空き家・不動産についてのご相談を承っています。
不動産の売却だけを前提にするのではなく、まず現在の状況と今後の選択肢を一緒に整理し、必要に応じて司法書士・税理士・弁護士などの専門家とも連携しながら、解決方法を考えていきます。
神奈川県央・湘南周辺で、相続した実家や空き家についてお困りのことがありましたら、お気軽にご相談ください。
※本記事は2026年9月時点の制度をもとに一般的な内容を解説したものです。相続・税務・登記等の取り扱いは個別の状況によって異なる場合があります。具体的な手続きや法律・税務上の判断については、司法書士・税理士・弁護士等の専門家へご確認ください。
この記事を書いた人
和継プランニング 代表 宮澤 和希
宅地建物取引士/FP2級・AFP
不動産会社で不動産売却のご相談や売買仲介業務に携わってきた経験をもとに、相続不動産・空き家・不動産売却について、一般の方にもわかりやすい情報発信を行っています。
「売ること」だけを前提にせず、ご家族の状況や今後の希望を整理しながら、必要に応じて司法書士・税理士・弁護士などの専門家とも連携し、解決方法を一緒に考えることを大切にしています。
