親から家を相続したものの、
「誰も住む予定がないけれど、売ってしまっていいのだろうか」
「貸せるのであれば、賃貸にした方がいい?」
「思い出のある実家なので、しばらく残しておきたい」
と迷う方は少なくありません。
相続した家には、売る・貸す・残すなど、いくつかの選択肢があります。
どれが正解かは、不動産の状態や立地、ご家族の希望、維持費、将来の利用予定などによって変わります。
そのため、「空き家だからすぐ売る」「家賃収入が得られそうだから貸す」と一つの条件だけで決めるのではなく、いくつかのポイントを整理してから判断することが大切です。
この記事では、相続した家を売る・貸す・残すのどれにするか考えるときの7つのポイントをわかりやすくご紹介します。
相続した家には「売る・貸す・残す」という選択肢がある
相続した家について考えるとき、最初から売却だけを前提にする必要はありません。
主な選択肢としては、
- 自分や家族が住む
- 空き家としてしばらく残す
- 賃貸に出す
- 売却する
などがあります。
それぞれにメリットと注意点があるため、まずは「自分たちの家の場合はどの方法が現実的なのか」を整理することが大切です。
相続した実家の基本的な選択肢については、こちらの記事でも詳しく解説しています。
「相続した実家はどうすればいい?売る・貸す・住む・残す選択肢をわかりやすく解説」
判断ポイント1|今後、その家を使う人がいるか
まず確認したいのが、今後その家を使う予定があるかどうかです。
たとえば、
- 自分が将来住む予定がある
- 子どもが住む可能性がある
- 親族が利用する予定がある
- 数年後に地元へ戻る予定がある
といった事情がある場合には、すぐに売却せず、一定期間所有しておくという選択肢も考えられます。
一方で、家族全員が遠方に住んでいて、今後も誰も利用する予定がないのであれば、長期間所有し続ける必要があるのかを考えてみてもよいでしょう。
「いつか使うかもしれない」と考えているうちに5年、10年と経過することもあります。
できれば、「誰が、いつ頃、どのように使う可能性があるのか」まで具体的に考えることがポイントです。
判断ポイント2|相続人の意見がそろっているか
兄弟など複数の相続人がいる場合には、家をどうするかについて全員の考えを確認しておくことも大切です。
たとえば、
兄は「売却したい」
弟は「実家を残したい」
というように、相続人によって考えが違うこともあります。
特に共有名義になっている不動産では、売却や管理などについて共有者同士で話し合う場面が増えます。
そのため、売る・貸す・残すを考える前に、
- 誰が家を取得するのか
- 共有にするのか
- 誰が管理するのか
- 将来どうする予定なのか
を整理しておくと、その後の判断がしやすくなります。
兄弟で実家を相続する場合の注意点については、こちらの記事をご覧ください。
「兄弟で実家を相続するとどうなる?共有名義の注意点をわかりやすく解説」
判断ポイント3|所有を続けた場合の維持費はいくらか
家は誰も住んでいなくても、所有しているだけで費用がかかります。
代表的なものには、
- 固定資産税・都市計画税
- 火災保険などの保険料
- 庭木や雑草の管理費
- 建物の修繕費
- 水道・電気などの費用
- 実家を確認するための交通費
- 管理を委託する場合の費用
などがあります。
1年間ではそれほど大きな負担に感じなくても、5年間、10年間と所有を続ければ負担は積み重なっていきます。
そのため、「今年いくらかかるか」だけではなく「今後5年間所有したらいくらかかりそうか」という視点で考えてみることをおすすめします。
相続した実家を空き家として所有する場合の維持費については、こちらの記事で詳しく解説しています。
判断ポイント4|建物の状態と今後の修繕費を確認する
賃貸や保有を考える場合には、現在の建物の状態も重要です。
築年数が経過している家では、
- 屋根
- 外壁
- 給湯器
- 水回り
- エアコン
- 床や壁
- 給排水設備
などの修繕や交換が必要になることがあります。
たとえば賃貸に出す場合でも、現在の状態のまま貸せるとは限りません。
設備の交換や室内のリフォーム、ハウスクリーニングなどが必要になれば、最初にまとまった費用がかかる場合があります。
反対に、まだ十分利用できる状態であれば、大きな工事をせず活用できる可能性もあります。
まずは建物の状態を確認し、今後どのくらい修繕費がかかりそうなのかを把握しておくと判断しやすくなります。
判断ポイント5|本当に賃貸として成り立つか
「売らずに貸せば家賃収入が入るのでは?」
と考える方もいらっしゃいます。
もちろん、立地や建物の状態によっては、賃貸として活用できる可能性があります。
ただし、家賃収入だけを見て判断するのは注意が必要です。
賃貸に出す場合には、
- リフォーム・修繕費
- 入居者募集の費用
- 管理会社への管理料
- 固定資産税
- 保険料
- 設備故障時の修理費
- 入居者がいない期間の負担
なども考える必要があります。
また、地域によって戸建て賃貸の需要は大きく異なります。
「月10万円で貸せそうだから年間120万円の収入になる」と単純に考えるのではなく、費用や空室期間も含めて考えることが重要です。
賃貸を検討する場合には、周辺の賃貸需要や想定家賃、必要な修繕費などを確認してから判断するとよいでしょう。
判断ポイント6|売却した場合の価格と手残りを確認する
売却を検討する場合には、
「いくらで売れそうか」
だけではなく、「最終的にいくら手元に残りそうか」を確認することが大切です。
不動産を売却すると、状況によって、
- 仲介手数料
- 登記に関する費用
- 測量費用
- 建物の解体費用
- 残置物の撤去費用
- 税金
などが発生する場合があります。
そのため、査定価格だけを見て判断するのではなく、売出価格や販売方法、売却に必要な費用、売却までの期間、最終的な手残りまで整理したうえで判断することが大切です。
和継プランニングでは、相続・空き家のご相談だけでなく、売却することが決まった方に向けた売却専門の不動産売買仲介サービスにも対応しています。
「売却した場合はいくらくらいになりそうか」「どのような販売方法が考えられるか」「諸費用を差し引くとどのくらい手元に残りそうか」といったところまで整理しながら、売却を進めていきます。
相続した家の売却を具体的に検討している方は、売却専門ページもご覧ください。
売却するかまだ決めていない段階であれば、先に残す・貸すという選択肢も含めて比較してから考えても問題ありません。
判断ポイント7|「いつまでに決めるか」を考える
相続した直後に、実家をどうするかすぐ決められないことは珍しくありません。
思い出のある実家であれば、気持ちの整理に時間がかかることもあるでしょう。
そのため、無理に急いで結論を出す必要はありません。
一方で、「まだ決められないから、とりあえずそのまま」という状態が何年も続いてしまうことには注意が必要です。
所有している間も維持費や管理の負担は続きます。
たとえば、
「まず1年間は残しておく」
「半年後に兄弟でもう一度話し合う」
「修繕費と売却価格を確認してから決める」
というように、一定の期限や判断材料を決めておく方法もあります。
今すぐ決断する必要がなくても、次にいつ検討するかを決めておくことで、長期間そのままになることを防ぎやすくなります。
売る・貸す・残すを簡単に比較すると
| 選択肢 | 向いているケース | 確認したいこと |
|---|---|---|
| 売る | 今後使う予定がなく、管理を続ける必要性が低い | 売却価格、販売方法、売却費用、税金、手残り額 |
| 貸す | 賃貸需要があり、建物の状態も比較的良好 | 想定家賃、修繕費、管理費、空室リスク |
| 残す | 将来自分や家族が利用する可能性がある | 維持費、管理方法、将来の利用予定 |
この表だけで判断できるわけではありませんが、まずは大まかな方向性を整理するときの参考になります。
「どれが一番得か」ではなく「自分たちに合っているか」で考える
相続した家について相談するとき、
「結局、売る・貸す・残すのどれが一番得ですか?」
という疑問を持つ方もいらっしゃいます。
しかし、不動産は物件ごとに条件が違います。
また、ご家族の状況や考え方もそれぞれです。
たとえば、経済的には売却した方が合理的に見えても、将来子どもが使う予定があるのであれば、残しておく意味があるかもしれません。
反対に、思い出があるからという理由だけで空き家を長期間所有し続けると、維持費や管理が大きな負担になる場合もあります。
大切なのは、
- 家族の希望
- 不動産の状態
- 立地
- 維持費
- 賃貸した場合の収支
- 売却した場合の手残り
- 将来の利用予定
を整理したうえで、自分たちにとって無理のない選択肢を考えることです。
相続した家をどうするか迷っている方へ
相続した家について、最初から一つの答えを決めておく必要はありません。
まずは、
「残した場合はいくらかかるのか」
「貸すならどのくらいの家賃になりそうか」
「売却したらいくらくらい手元に残るのか」
を整理して比較してみると、今後の方向性が見えやすくなります。
和継プランニングでは、相続・空き家・不動産についてのご相談を承っています。
売却だけを前提にするのではなく、残す・貸す・利用する・売るといった選択肢を整理しながら、ご家族の状況や今後の希望に合った方向性を一緒に考えます。
そして、比較した結果「売却する」という方向性が決まった場合には、売却専門の窓口として不動産売買仲介にも対応しています。
査定価格をお伝えするだけではなく、売出価格、販売戦略、売却までの期間、価格変更の考え方、必要な費用、最終的な手残り額まで含めて整理しながら進めていきます。
相続した実家や空き家の売却を具体的に検討している方は、こちらの売却専門ページをご覧ください。
まだ「売る」と決めていない方は、相続相談の段階で売却を決める必要はありません。まずは残す・貸す・売るという選択肢を整理するところからご相談いただけます。
遺産分割や登記、税務など専門的な判断が必要な場合には、必要に応じて司法書士・税理士・弁護士などの専門家とも連携します。
神奈川県央・湘南周辺で、相続した実家や空き家を今後どうするかお悩みの方は、お気軽にご相談ください。
まとめ|まずは3つの選択肢を数字と将来から比べてみましょう
相続した家には、売る・貸す・残すなどの選択肢があります。
判断するときには、
- 今後その家を使う人がいるか
- 相続人の意見がそろっているか
- 維持費はいくらか
- 建物の状態と修繕費
- 賃貸として成り立つか
- 売却した場合の価格と手残り
- いつまでに方向性を決めるか
を整理してみましょう。
「空き家だから売る」「家賃が取れそうだから貸す」と一つの要素だけで判断するのではなく、数年先まで含めて比較することが大切です。
そのうえで売却することが決まった場合には、不動産会社へ査定を依頼し、売却価格だけではなく販売方法や費用、手残り額まで確認してみるとよいでしょう。
和継プランニングでは、相続した家についての選択肢整理から、売却を選んだ場合の不動産売買仲介まで、ご相談内容に応じて対応しています。
※本記事は2026年9月時点の一般的な不動産・相続に関する情報をもとに作成しています。不動産の活用方法、税金、相続、登記などの取り扱いは物件や個別の事情によって異なります。具体的な法律判断は弁護士、登記手続きは司法書士、税務については税理士などの専門家へご確認ください。
この記事を書いた人
和継プランニング 代表 宮澤 和希
宅地建物取引士/FP2級・AFP
不動産会社で不動産売却のご相談や売買仲介業務に携わってきた経験をもとに、相続不動産・空き家・不動産売却について、一般の方にもわかりやすい情報発信を行っています。
「売ること」だけを前提にせず、ご家族の状況や今後の希望を整理しながら、必要に応じて司法書士・税理士・弁護士などの専門家とも連携し、解決方法を一緒に考えることを大切にしています。
